排自と江ノ島とラジオ

into-the-sky2009-05-06


4月27日(月曜日)
 朝、起きた時の気温は、7.6℃。弱い西よりの風が吹いて、寒い。西部の山脈から、冷たい風がゆっくりと運ばれてきているみたい。強い光が、外のいろいろなものの色を一層鮮やかにしている。
 先週の24日から連休週間が始まっていて、二日間休んで二日間出勤して、二日間休んで一日出勤、そのあとは、六日間休んで一日間出勤して、また、三日間休み。結局、4月24日から5月10日までの17日間、3回しか出勤しない、という状況。遠出する計画も特になし。自分のしたいことだけを集中してやる、という期間になるだろう。最近、量を減らしている読書に充てるか散歩に充てるか、という感じ。
 ということで、今日は出勤したが、休みの狭間的思考。その影響はないとは思うけれど、何かの1つに振り回され続けたという一日になって、帰宅してやや機嫌が悪いことに気がつく。
 そういう材料や要因は、できるだけ排除していきたいと、常に考えているわけではあるが、仕事を続けている限り、完全には排除できない。ただあくまでも、その要因に対して自分が何かをする、ということではなくて、そのような環境に自分が近づかないようにしよう、というもの。「排他」ではなく「排自」である。その形はいろいろあるが、受動的なな意志だけに留まることはない。ただ、いずれにしても、最終的に、そして完全に自分から取り除くには、今の仕事を辞めることにはなるのだろう。文句を言ったり、無用なことにエネルギーを注ぎ込むのだったら、そのほうが効率的だ、ということ。だから、今、辞めたいと思っているとか、あと1年で辞めるとか、そういう話ではない。いずれにしても、誰にも相談することもないだろう。自分一人で決めることだ。もちろん、先の決心をしても、ここに書くことはしない。辞めてから、1年くらいして、「実は辞めていました」と、こっそり書くかもしれないが。
 そういう意味では、これまでのここに、本音をどれだけ書いてきたか、というと、実はほとんど書いていない。どちらかといえば、傍らにあって、自分からは少し離れたところで思ったり考えたりしていることが大部分であって、確固たる信念を書いたつもりもない。仕事におけることであってもそれは同様である。
 夕方は、「2月のプロジェクト」の打合せ。その後は、ほぼ同じメンバーで会合。夜11時過ぎに帰宅。



4月28日(火曜日)
 昨日よりさらに低い気温。5.5℃。もし、2月頃でこの温度だったら、タイマーで暖房を作動させ、暖かい部屋の朝になっていた筈。電子音時計を見てから、寒さに驚くことになる。こうした油断で、体調を崩すのだろう。
 両親の家に行っての朝食。そこで、2ヶ月くらい前からの懸案事項である、「湘南あたりで海を見たい」という母親の希望をかなえるべく、「今日、行こう」ということになった。中途半端な時間だったので映画は見ないことにして、観葉植物の手入れをしながら、のんびりと支度。10時30分過ぎに、車で家を出た。
 日付の赤い日ではなかったので、道路は空いていて、比較的順調。鶴川や緑山スタジオの前を通り、成瀬を抜けて246号。大和の辺りから、藤沢街道をほぼ真南に。小田急江の島線と並走している道なので、駅に近づくと、そこの交差点でつまり、通り過ぎるとスムーズになって、近づくと少し滞って、の繰り返しだった。町田の近くを過ぎてからは、多摩丘陵の起伏もなくなり、2本の川の間の台地を進む感じになる神奈川県内は、ほぼ平坦な道。絶え間なく続く街道沿いのやや大きな建築物は、遮音版に囲まれた高速道路と同じよう。周囲が連続的に見えないので、あまり面白くないし、やや圧迫感もある。最後のT字路の交差点で、目前に海が広がった。あたかも、長いトンネルを抜け出たときの光景のよう。およそ2時間で到着。
 適度に発展した市街地が、海の目前まで広がっているのがいわゆる湘南の特徴。それまでに続く、広大な田園風景も防風林もないし、絶壁もないし高低差もない。これが、海と人を近づけた要因となるだろう。周辺の街全体が、海を中心に活動しているように見える。これに、近くの葉山や鎌倉の別荘地のイメージが重畳され、かつ、温泉地でもないというロケーションが、比較的若い世代にもてはやされることになるわけである。もちろん、「サザン」が作った特有のイメージも影響しているだろう。確かに、湘南に足を運ぶ度に、ここに別荘があっても良いな、と思う。



4月29日(水曜日)
 昨日ほどではないが、今朝も10℃をかなり割り込んでいて、冷えた朝。風がほとんどなくて、窓の外の光景は、絵に描いた新緑、である。
昨日の続き。
 江ノ島に着いて、すぐに昼食。3度目の「キャンティ」でイタリア料理。海側のベランダのような席に座り、食事。風は冷たいけれど、透明度の高い空気の影響もあって、陽射しがもの凄く強い。硬く強い光、積極的な風、それに、時折、トンビの声が聞こえる。めったにないシチュエーションなので、面白い。この店、特にサラダのドレッシングが美味しいと思う。同じ系列の店が、都内にも何カ所、山中湖にもある。と、たまには、店の宣伝をしておこう。
 その後は、歩いて江ノ島へ。ここは、僕は2回目。連休の狭間だったこともあって、それほど人は多くない。自分のペースで歩ける。エスカーに乗って昇った。途中にいくつかある神社で、両親はお参りをしていたが、僕はせず。 年に一回は、「決心」という意味を込めてやってはいるけれど、もともと儀式というものにまったく興味がない。「結婚に繋がるような人と出会えるように・・・」なんていう祈りは、もうここ何年も達成されていないし。と、たまには、俗っぽいことも書いておこう。
 展望台にも上がって、陸地側を眺め見た。近くに丘陵地がないので、あまり高くない位置からでも遠くを見ることができる。都境の高台までは、一望できる。確証を得ないが、自宅周囲の丘陵も見えているようだ。その後は、ゆっくりと下り、江ノ島から平塚・伊勢原・厚木と、丹沢の麓近くを北上して相模原を通り、町田を抜けて19時過ぎに帰宅。

 連休二日目の今日は、朝食後映画を観て、掃除をして音楽を聴いて、のいつもの休日作業。少し涼しくなった夕方には散歩に出た。1時間30分くらい。 一瞬見る、テレビのニュースでは、インフルエンザの話題が凄い。あえて単純に比較すると、「では、国内の毎年冬のインフルエンザ大流行はどうなのか」という感じ。まあ、これは、また数日後に書くだろう。



4月30日(木曜日)
 朝の外の気温は、ほぼ10℃。まあまあ。特にこの頃の気持ち良さといえば、緑の色と空気の乾燥によるものだと思う。最高ともいえる日が幾日も。もう少し経つと、蒸し暑い季節がやってくる。誰か何とかして欲しい、と、願う。いや、自分がそういう気候の場所に移動すれば良いだけだが。
 17日間の、連休期間の挟間の出勤。一日だけ。電車の中では依然として、iPod nanoで音楽を聴きながら途中駅までは読書、その後は、聴きながら考えごと。ただ、最近は、iPod nanoでFMラジオを聞いている。意外に知名度が低いようだけれど、AppleからiPod nano(1つ前のタイプ)用の純正ワイヤードリモコンが売られていて、それを使うとFMラジオが聞ける。本体にはチューナを持っていない筈だから、電源を本体から供給してもらい、リモコン内のチューナが機能する、という仕組みなのだろう(詳細は知らず)。もちろん、本体の画面に「ラジオ」という項目が加わり、周波数もちゃんと表示される、というもの。車内では受信感度が悪く、モノラルでの受信になるが、音楽目的ではなくて、ニュースを小耳にはさむくらいだから、ちょうど良い。わざわざネットでニュースを眺める手間が省けるし。
 ところで、実は、小学生から中学生にかけて、テレビもそれなりに見ていたけれど、自分の意志で楽しんでたのは、テレビではなく、AMラジオだった。たまたまついていたラジオ番組で、ラジオドラマを聞いたのがきっかけだったと思う。効果音が途中で少しだけ入ること以外は、台詞とト書きだけが、静かにスピーカーから流れてくる。聞いた時間も夜だったし、電器を消したくらい中だったから、ちょっとした恐怖があった反面、妙に耳が引き寄せられる、そういう初めての経験をした。「興味が沸いていくと、その対象がなくなる」という僕のジンクスのようなもの同様、やはり、そのラジオドラマもその番組自体も、数ヶ月で終わってしまった。それでも、ラジオの面白さのようなものは引き継がれ、そのまま夜9時以降のラジオ番組を聞くことになったわけである。このつづきはいつか書くだろう。