一人前になった後で

into-the-sky2009-03-09


2月21日
 それなりに冷え込んだ土曜日。日中も10℃に届かず寒い。桜の木の枝は、だいぶ煩くなってきた。小枝の先には、固まりも見える。朝食後は、休日のいつものように、コーヒーを淹れて映画と、「刑事コロンボ」を観た。役柄ではない、コロンボを演じるピータ・フォーク自身の目に鋭さを感じる。午後もさらに映画を1本。ウォルト・ディズニー社のタイトルが最初に出てきたが、実写でカーチェイスが場面に登場するようなアクションもののテイストで、らしくないな、と思っていたら、最後は、やはりそれらしい展開だった。
 夕方6時前に家を出て、2ヶ月ぶりの美容室へ。この時間にしては珍しく多客だった。眠くなりそうだったので(僕が)「美容室の最近(アシスタントからスタイリストになるまで)」というテーマで、担当の美容師の方に話しかけた。経験的に、いわゆる下積みの時期のことや、その道にデビュするときの流れのようなものは、だいたい想像できるけれど、実際に話を聞くと、予想より大変で苦労が多い、ということが解った。およそ3年間のアシスタントがある、とのこと。特に美容師の業種に関してだけではなくて、どの分野もアシスタントの期間は長過ぎると感じる。
 僕の仕事も、アシスタントの期間があったけれど、それが終わって独り立ちしてすぐに、アシスタントの時期のことは、あまり関係がなかったな、と思った。見ていたつもりのものを見ていなかったな、と感じたし、意外に上手くできたな、と感じたこともあった。もちろん、多少はその期間の経験が役に立ったとは散見されるわけなのだけれど、そのほとんどは、結果論であって、独り立ちしたからこそ、自明となったことである。
 下積みの期間のすべてが無駄だとは思わない。業種によって違いがあるし、最低限のテクニックの取得に、絶対的な時間がかかる場合もあるだろう。けれど、順番や期間や回数などと単純に語られたり判断されたりする物ではない。実際にやりながら学んだほうが効率的だし、一人前になってから、いわゆるアシスタント的な業務に携わったほうが、理にかなっている筈だ。まず何より、最も旺盛な時期に、大きく重たい経験させた方が、身に付くのも早い、ということは確かである。



2月22日
 風が弱く、放射冷却が強まった、氷点下の朝。それでも、昼頃には南よりの風が吹いて、気持ちよく暖かい。向かいの家のバセット氏(犬です)は、陽なたで横倒し。陽射しがある日は、ほぼ毎回、同じ位置で、横倒しになっている。そういえば、今の家になって畳部屋がないし、ソファも陽にあたらない位置に置いてあるので、横倒しで昼寝はもう何年もしていない。夕方前には雲に覆われたけれど、暖かいまま。メジロも、ツグミも、コゲラも、ハクセキレイも、見え隠れする。
 朝食後は、映画を1本と「刑事コロンボ」を観た。今回のNHKコロンボは、HDの16:9だったから、新しいシリーズだったのかもしれない。1967年から2003年まで、69作品が制作されたが、NHKもCSも、なぜが、完成順というか当時の制作順にはならずに、アットランダムである。まあ、まったく気にならないが。ちなみにNHKは68本をHDで放送する。
 先日一度だけコロンボについて書かれている個人のブログのようなものを見た。倒叙形だし、しっかりと読んでいるわけではないので、ネタバレが書かれていてもそれほど気にならない。ただ、サイトによっては、たとえば「この回の話は、浅はかで展開が強引」とか「犯人の特定方法に必然性がない」などと書かれているものもある。まあ、個人の自由なので、批判的な意見は持たないけれど、そういう指摘をする人達の希望通りに脚本を書いて構成を考えると、恐らく、すべて同じストーリ展開になるのだろうな、とは思う。そうなると、その当人達からは「マンネリでつまらない」と指摘されるのだろうが・・・。
 夕食後は、映画を1本。タイトルだけで録画を決めたもの。大統領がテーマ。けれど、ありがちなシリアスなものではなく、大統領の恋愛にまつわるストーリー。常套的表現だと、大統領自身とその周囲の人間模様がテーマ。面白い映画だったけれど、途中、カット毎でもリップシンクがとれていない部分があった。サラウンドシステムに繋げているから僅かながら音が遅延しているにも関わらず、映像がさらに遅れていた。作品に原因があるのか放送上の問題か、ブルーレイなのかよく解らず。



2月23日
 雨の月曜日。自宅の周辺はまだ弱い雨だが、レーダーを見ると、積極的な雨雲が控えている。もちろん、雪が降るような硬い寒さはない。職場に着く頃には、弱い雨。夕方までは弱い雨が降っていた。ちょっとした、早春の長雨。
 今日でなければならない、という仕事はなかったけれど、明日と明後日の外の仕事の要件をメールで問い合わせしていたので、ほぼ、そのためだけに出勤。メール自体は、自宅でも問題ないが、返信の内容によっては、職場で準備をしなければならないからだ。今回は、職場にきた仕事だけれど、アルバイトというかフリーというか、完全に外の仕事。今後は、このようなスタイルの仕事が少しずつ増えていくだろう。この時期恒例の仕事に関して、各人にメールした。26日にはスタート。
 帰宅して映画を1本観た。「刑事コロンボ」は、ハードディスクの中にあって、まだ見ていないものが、多数。誠に嬉しい状態である。
 先日、見た映画の本数が解らなくなったと書いたけれど、昨年の5月にブルーレイディスクレコーダーを購入してから、録画したディスクの数は、110枚を超えていた。半分以上のディスクには、2作品を収録しているし、中には4作品のものもあるし、一度観てそのまま消去したものもある。正確には解らないが、少なくとも260作品以上は見た計算になるか。時間に換算すると、およそ450時間。このペースは、少なくとも今年の10月頃までは変わらないだろう。
 この10ヶ月くらいの間で観た映画は、途中で見るのを止めたものが1つと、見終わって面白くないなと感じたものが1つだけあっただけで、他はどれも、概ね面白いと思える作品だった。ジャンルも特に拘りはなく、ディズニー・ピクサーのアニメも観るし、邦画も観る。いわゆる感動映画も観るけれど、ただ暗い映画はあまり観ないようにしている。そもそも、暗い映画のほうが作るのが難しいということもあって、どうも無理をして暗くしているような、暗さのごった煮のように感じてしまうからだ。「世知辛い世の中です」「現代は、こんなに荒んでいます」と言わんばかりだし。