信念の造形

into-the-sky2006-05-06

 連休だから、毎日欠かさずブログブログ・・とはいかず、私の場合は休みは休み。『普段やることはやらず、あまり普段やらないことをやる』これが私の身勝手なポリシーの一つ。
 だから、日記もつけちゃいけないのだ。と言っても、書かないとやはり忘れてしまうので・・・とか何とか言いながら。(笑)

 この大型連休中のある日、かの有名な“表参道ヒルズ”に足を運んだ。
 知らない人がいるのだろうかとついつい思ってしまうほど、あっと言う間に渋谷区神宮前・表参道の“顔”になったのだった。
 建物は安藤忠雄芸術作品。私は好きである。安藤氏の作品のデザイン自体が好みなのではなく、安藤氏の信念や哲学が感じられるからだ。安藤氏に代表されるコンクリート打ちっぱなし作品のすべてが、その形として表現されていると思う。
 コンクリートは自由に造形できる。鉄骨造や木造は、規模にもよるが、その材質の形象や大きさそのものが、デザインに大きく現れる。もちろん、それぞれの良さは兼ね備えているのだが、その大きく現れるということは、時としてそれがデザイン上の制約になることもあるのではないかと思う。躯体に異なる部材などを加工して取り付けたりして、ボリュームを持たすことで、それが初めて固まりとなり造形となる。
 それに対して、コンクリートは、細い鉄筋によって肉付けされるそれ自体が一つの固まりであって、その固まりは比較的自由に造形できるのであって、それ自身が材料で言う、木や鉄骨になるのだ。だからこそコンクリートによる建築物は、石膏造形の美術作品のように、自由にその固まりを一つのアートとして表現できる。そこに面白さがあり、私は引かれる。
 断っておくが、神社仏閣の木の造形美、鉄骨の表現も私は好きだ。だいいち、何て言ったって、私の家は鉄骨造であり、室内から鉄骨が見えるデザインでもあるし。