報告か連絡か

 「本日は電車が遅れまして・・」
 ・・とスピーカーからの声。
 それに私は、一人、心の中でツッコミを入れる。
 「本日も・・でしょ?」

 この時期、電車が遅れる。
 私が利用する鉄道線沿いには大学が多い。別に大学生だけのせいにしよってことではない。原因の一つになっていることを言いたいのだ。それに、私だって利用者の一人。混雑に一役かっているのだから。きっと。
入学シーズン、入学とは継続的なものではないので、正しくは、新入生学校に慣れるシーズンなのだろうが。(どーでもいいね・・笑)
 大学一年は、意気揚々。最初なので授業も沢山履修する。朝からちゃんと大学生役を演じる。経年の変化とは裏腹に。地方出身者もいる。都心の通勤地獄に慣れてもいないのだ。電車の編成中、比較的空いている車両も、この駅でこの車両からは沢山人が降りる・・そんな通勤ノウハウ(そんなもの、得たくはないが)もない。まあ、良く取れば、頑張り空回りが不自然な混雑を招き、電車のダイヤを遅延させる。つまり、遅れたことは、今日だけのことでなくて、昨日も一昨日も遅れていたのだ。むしろ、先の話からすると遅れないはずない。だから、ホーム係員の適切な言い方は、「本日も電車が遅れまして・・」ではないのか。
 いや、しかし、連絡と報告は違う。社会人になると『ホウ・レン・ソウ』が大事なんて言われる。報告・連絡・相談のことだ。ここでもそう書いているように、報告と連絡は違う。報告としては、「本日も電車が遅れまして・・」が適切だろう。一方、連絡とすると、「本日は遅れまして・・」がきっと適切なのだ。
 報告とは、主にその時点において、既に過去の出来事となっていることを伝達すること。連絡とは、今の状態を伝達すること。だから、連絡とした場合、「ただいま電車が遅れております。」と言ってもいい。経時的なアナウンスではなく、今の状況なので、「本日は・・」になると。
 別に、一駅員が、こんな毎日を現実逃避したり、たまたま昨日遅延したことを知らなくて・・であったり、言葉の使い方を知らなかったり、そんな事でなく、単に現状伝達して、誤っているだけなのだ。こう考えると、憤慨したりしないでしょ?私はもう、物事を悪く解釈するのが嫌いな超ポジティブな人間なので〜〜(なーんてね)
 でも・・・、やはり、心情的には、
 本日も・・・って言われた方が、首は無意味に傾くとこはないのだけれど。