製品のデザイン

into-the-sky2006-07-17

 先週末、東京は暑かった。雷雨があったもののおおむね晴天で気温は35℃を超えた。そんな中、私は扇風機を購入。厳しい暑さが続く夏は、扇風機やエアコンの売れ行きがいいと言うが、私も、その極一般的な大衆の一人であると改めて実感。一般的な白色調のデザインのものは、家のインテリアに合わないと思い、目立たないカラーリングのものにした。ファン自体は首振りしないが、カバーを兼ねたフィン全体がゆっくりと回転する機構を持っているので、上下左右に風が行渡るもの。なかなか使いやすいなと自己満足の三日目である。
 扇風機のデザインは「本来こうでないと」と思い床置きのものにしたのだけれど、家電売り場に行くと、まだスタンドとファンの部分が離された首長デザインの機種が大半を占める。私はそれを見ると、それこそ、少し“首”を傾げてしまう(笑)。そもそも私の子供の頃はファンのすぐ下にスタンドが位置する高さの低いものが多かったと記憶している。それが時代と共に高くなり、今ではドアの取っ手程度の高さ以上のものが多くなった。おそらく、そこここに置かれる家具の高さを意識してのデザインなのではないかと予想してみるが、果たして、そんな必要あるかなとも思わなくもない。冷たい空気は比重が大きく下に溜まるので、下から上に吹き上げ拡散したほうが明らかに効率的と思うのだけれど。
 しかし、われわれの周りを見渡し、じっくり考えると、本来の機能とは直接繋がらない、不自然さ非合理さが際立つデザインの工業製品が意外と多いのに気が付く。例えば、パソコン。一般ユーザー用ではCRTのモニターが淘汰されている現状で、なぜ、薄型の液晶モニターに奥行きもある箱型の別の本体が存在するのだろうか。もちろんノート型以外のもの。最近になってようやくモニター本体一体型のものが増えつつあるが、まだ種類としては少ない。中身を改造しやすいなんて理由も考えられなくもないが、実際にそんな一般ユーザーはどれほどいるのだろうか。誰かの何かの勘違いなのだろうか。その点、しっかりとした思想を持つアップル社製のパソコンは、一部の特殊なハイエンドマシーンを除いて、一体型のデザインになって久しい。
 自動販売機の取り出し口もそうだ。下にあり、口の蓋は手前上にめくらないと取り出せない。しかも、最近の口は横に広く、暗い夜は取り出す前にしゃがんで商品を探さなければならない。雨で傘を差していると最悪で、もうこうなると買う気にもならない。誰かの何かの勘違いなのだろうか。一部の公共福祉施設のものは、商品を上に運び姿勢を変えず取り出せるものもあるのだけれど。
 どう頑張っても、フィンが斜め下にしか向かないエアコンの噴出し口。自動車では言わば当然な機能であるにも関わらず、生活の本拠で出入りも多いのにワイヤレスや電気式にならない家の鍵。やたらと音が煩い携帯電話のバイブレーター・・・。やはり誰かの何かの勘違いだろう。
 もちろんメーカー側にも言い分はあるだろうし、世の中の全ての“もの”が合理的のみに作られなければならない道理もない。でも、従来からこうだから、周りも同様だから、なかなか需要がないからなどと言う安易な短絡的な発想を立てて、だから、これで良しとするスタンスは、プロフェッショナルじゃないなと思うし、それは変えるべきとも思う。



 先週末、東京は暑かった。雷雨があったもののおおむね晴天で気温は35℃を超えた。そんな中、私は扇風機を購入。厳しい暑さが続く夏は、扇風機やエアコンの売れ行きがいいと言うが、私も、その極一般的な大衆の一人であると改めて実感。一般的な白色調のデザインのものは、家のインテリアに合わないと思い、目立たないカラーリングのものにした。ファン自体は首振りしないが、カバーを兼ねたフィン全体がゆっくりと回転する機構を持っているので、上下左右に風が行渡るもの。なかなか使いやすいなと自己満足の三日目である。
 扇風機のデザインは「本来こうでないと」と思い床置きのものにしたのだけれど、家電売り場に行くと、まだスタンドとファンの部分が離された首長デザインの機種が大半を占める。私はそれを見ると、それこそ、少し“首”を傾げてしまう(笑)。そもそも私の子供の頃はファンのすぐ下にスタンドが位置する高さの低いものが多かったと記憶している。それが時代と共に高くなり、今ではドアの取っ手程度の高さ以上のものが多くなった。おそらく、そこここに置かれる家具の高さを意識してのデザインなのではないかと予想してみるが、果たして、そんな必要あるかなとも思わなくもない。冷たい空気は比重が大きく下に溜まるので、下から上に吹き上げ拡散したほうが明らかに効率的と思うのだけれど。
 しかし、われわれの周りを見渡し、じっくり考えると、本来の機能とは直接繋がらない、不自然さ非合理さが際立つデザインの工業製品が意外と多いのに気が付く。例えば、パソコン。一般ユーザー用ではCRTのモニターが淘汰されている現状で、なぜ、薄型の液晶モニターに奥行きもある箱型の別の本体が存在するのだろうか。もちろんノート型以外のもの。最近になってようやくモニター本体一体型のものが増えつつあるが、まだ種類としては少ない。中身を改造しやすいなんて理由も考えられなくもないが、実際にそんな一般ユーザーはどれほどいるのだろうか。誰かの何かの勘違いなのだろうか。その点、しっかりとした思想を持つアップル社製のパソコンは、一部の特殊なハイエンドマシーンを除いて、一体型のデザインになって久しい。
 自動販売機の取り出し口もそうだ。下にあり、口の蓋は手前上にめくらないと取り出せない。しかも、最近の口は横に広く、暗い夜は取り出す前にしゃがんで商品を探さなければならない。雨で傘を差していると最悪で、もうこうなると買う気にもならない。誰かの何かの勘違いなのだろうか。一部の公共福祉施設のものは、商品を上に運び姿勢を変えず取り出せるものもあるのだけれど。
 どう頑張っても、フィンが斜め下にしか向かないエアコンの噴出し口。自動車では言わば当然な機能であるにも関わらず、生活の本拠で出入りも多いのにワイヤレスや電気式にならない家の鍵。やたらと音が煩い携帯電話のバイブレーター・・・。やはり誰かの何かの勘違いだろう。
 もちろんメーカー側にも言い分はあるだろうし、世の中の全ての“もの”が合理的のみに作られなければならない道理もない。でも、従来からこうだから、周りも同様だから、なかなか需要がないからなどと言う安易な短絡的な発想を立てて、だから、これで良しとするスタンスは、プロフェッショナルじゃないなと思うし、それは変えるべきとも思う。