迷惑メールと浴槽

into-the-sky2006-06-01

 携帯電話のいわゆる迷惑メールは最近減ったと思う。減ったと言っても、メールアドレスを変えない状態で以前に比べるとその受信数が減ってきたというわけではなく、アドレスを変えてそのようなメールが来なくなったことを言っているので、本当に減ったかどうかは、想像の域を出ない。どこかに自分のアドレスが出回ると途端にメールを受信しだすような気もしないでもない。携帯電話会社(ハードのメーカーではなくて)の対策が功を奏しているのか。そんな大げさなものではなく、ようやく本来の利用サービスを始めたと言うことなのだろう。

 ところで、この対策だが、万全なものではないのは明らかだ。現にアドレスを変えた後でも、月に数件は頼んでもいないメールが来ているからだ。
 私は、浴槽とお湯を思い浮かべる。対策が始まる前は、浴槽はもっと小さかった。そこに湯に変わる迷惑メールが溜まっていく。だからすぐこぼれる。こぼれだすと途端に大量の湯・・・つまりメールが届きだすという事。最近は浴槽が大きくなり、こぼれにくくなったが、相対的に浴槽の構造が弱いのか、僅かながら徐々に染み出す、こんな感じだろうか。
 迷惑メールを送信する業者や団体等が無くならない以上、完全にこぼれなくなることはないのであろう。
 対策も、サービス向上したと言うよりかは、利用者が個々にドメイン等の設定をすることによって受信出来なくしたり、ユーザー側がメールアドレスの管理を以前よりもしっかりするようになったことに起因するものが大きいような気がする。機能の向上とユーザーの意識の向上が果たされたのだろう。

 一方、いわゆるPCメールの方は依然としてひどい。私のアドレス宛てに一日100件を越える迷惑メールが届く。携帯電話のメールに比べると、ユーザーのリスクが少ないとの判断を管理者がしているに違いない。
 この、迷惑メール、一般的には広告メールである。そのようなジャンルに興味がない私には全く広告効果はない。・・・と言うよりか、効果がある、つまり引っ掛かる人がいるのだろうか。不思議でしょうがない。例え微々たる数でも、それを利用する人がいるから、なくならないと言う事なのだろうが。
 しかし、そのメールの件名や内容を一瞬でも見ると、内容の稚拙さには思わず笑っていまう。毎日、「あゆみさんから、今晩空いてます」と言われても、そんな暇なあゆみさんは世の中にはいないはずで、何某さんから、毎日のように「本日で最終のお知らせです」と言われても、冷静に日本語を勉強してくださいって言いたくなるのだ。これは、その手の迷惑広告メールですよと言わんばかりで、呆れてしまう。
 人間の動物としての欲望がなくなり得ない以上、提供者も利用者もすぐにはいなくならないのか。

 これだけ、蔓延しているのは、メールを送信するのにコストや手間がほとんどかからないからだ。
簡便な手段である上、自分を明確に名乗らなくても容易に送信出来てしまう仕組みがそもそも欠陥なのではないかと思う。

 インターネット環境やそれを取り巻くシステムは、依然として未熟であり、過渡期なのだろう。