梅雨的思考で

into-the-sky2006-05-23

 今日も、雨。
 もう二週間ぐらい雨や曇りばかりの天気が続いている。晴れて気持ちの良い天気の日もあった。あくまでも全体的なイメージの話。
 気象庁は、断定的な表現を使った“梅雨明け宣言”をしていない。「梅雨明けしたとみられる」と発表している。以前は「梅雨明けした」と言っていたのに。
 しかし、「したとみられる」の方がむしろ自然で、人間の情緒に近い印象を受けるのは私だけか。

 梅雨前線はこの時期の特有の名称で、そもそも前線は一年中存在する。一般的に太平洋高気圧が勢力を増すと前線を押し上げ梅雨明けし晴天が続く。
 しかし、前線の南北方向の振動は、時期に関わらず繰り返している。前線の北側のオホーツク海高気圧と太平洋高気圧の勢力争いが絶えず繰り返されているからだ。二つの勢力が日本付近で均衡すると雨が続き、相対的に太平洋高気圧の勢力が増すと夏空が広がる。つまり、振動を続ける中で、周期的に太平洋高気圧の勢力増が比較的長く続いている期間が“真夏”であり、それ以前の状況が梅雨になる。梅雨の期間中に太平洋高気圧に覆われることもあるし、梅雨が明けても、前線が南下したり復活したりしている。
 あくまでも相対的な関係にあり、周期中のいずれかの長さを天候や現象に乗じて表現しているに過ぎない。
 この時期の比較的晴天持続期間が“夏”でありそれが訪れれば“梅雨明け”。それ以前の比較的雨天持続期間が“梅雨”なのだ。
 振動は幾度と無く繰り返され、それぞれが比較的な関係でしかないとすると、あとはそれを受け取る人の気持ちによって、左右されるものである。この時期、人が各々に雨の期間が長いと感じれば、それは梅雨なのであり、晴れの期間が続き、暑いと感じれば、それは夏なのだ。
 メカニズム的には、偏西風とヒマラヤとの位置関係で、ある程度はっきりしている。しかし、メカニズムほど、結果としての天気は明瞭ではなくイレギュラーも多い。それが、異常気象と言われるゆえんにもなるのだろう。(私は気象に対して異常という言葉は不適切だと思うが)
 発表に関わらず、梅雨のような天気が続き、梅雨時期のような釈然としない気持ちなのであれば、その人にとっては、まさに“梅雨真っ只中”なのだ。
 だから、私は、さかのぼって、5月7日を入梅日とした。釈然としない気持ちが続いているからだ。
 この気持ちの原因が天気でないとすると・・・、
 それは後々、「梅雨入りしていなかったと思われる」と訂正するだけだ。

 そんな事を思うと、「なんだー。人生なんて、万年梅雨じゃないか!」
 ・・・と、あえて自虐的に言ってみました。