気持ち。

into-the-sky2007-09-28

 朝6時、快晴。気温20℃弱。都心部より4℃ぐらいは低いようだ。黄色い朝陽があたっている桜の木は、まるで静止画像を見ているように動かない。家の屋根や車には、朝露がついて濡れている。空気が冷め、その中にいられなくなった水分が、溢れ出ているのだろう。陽が上がり気温が上がると、また、もとの空気の中に、戻って行く。

 昨日は、世田谷のNHKへ。2日間、朝から夕方までを局内で過ごす。
 家を出て歩いて10分ぐらいの、“はるひ野”という駅から小田急線に乗り、成城学園前駅に向かった。いつもと違う鉄道線なので、読書はせず、車窓からの風景を楽しんだ。都心に向かって新百合ケ丘までは、丘陵を超えたりニュータウンの新しい街が続いていたりと、京王線調布駅までとあまり変わらない。ただ、新百合ケ丘駅は比較的新しく、そこに広がる市街地もまだ綺麗で、いわゆる今風な趣きが強い。調布駅や市街地の雰囲気とはかなり違う。
 多摩川を越えた辺りからは、既に複々線化が進行していて、同じ方向に同じ車両デザインの2編成が並んで走る。私鉄線としては少々珍しい光景。車内は、車両に興味がない人が見れば、色以外の違いを見いだすことは難しいだろう。どの鉄道会社も、コストパフォーマンスも事情から、一部の微細な違いを除いて、同一な設計になっているからだ。シールで貼られている“優先席”のフォントのアンバランスさは、見るほどに少々気持ちが悪く、そして微笑ましい。変だな、と思っている人は、きっと多いだろう。まったくどうでも良いことだが。

 10数年ぶりに成城学園前駅を歩いたけれど、もう昔の面影はない。線路はちかに入り、代わって巨大な駅舎とビルが並んで立っていた。入り口の三角屋根も、かなりの狭隘だった周囲も、近代的に広がった。昔の情緒ある三角の小さな駅舎の雰囲気が好きだった、と思う人も少なくないだろうが、その駅舎も当時の小田急の統一規格のようなデザインで、どこの駅も極めて似通ったものだったから、むしろ昔の方が没個性だったことは、間違いなさそうではある。駅前のアンデルセンのパン屋で昼食を買い、タクシーに乗った。
 技術研究所・放送研修センターという名称にはなっているが、建物を外から見る限り、大きなスタジオがいくつかあるように見えるデザインだし、関係者であっても容易に入ることができない場所は、ありそうな雰囲気。公式の案内を見ても記されてはいないのが、エレベーターが停止しない階もいくつかあった。常識的に、渋谷とは回線も繋がっているだろうから、何だかの危機管理的な役割も負っているのだろうとは思う。僕が勝手に、こう書いているだけだが・・・。
 12階からの眺めは、周囲に高い建物がないだけに、気持ちが良かった。新宿から横浜までが、一望できる。NHK、なかなかやるな(笑)。夕方、ロビーから夕焼けを眺めていたら、隣に立った見知らぬ男性に「綺麗ですよね」と声をかけられた。僕も、「そうですね」と答えた。一瞬にして、昔からの友人のように、親しみを感じた。見ているものが同じである、ということは、考え方が同じである、ということより、互いの気持ちの距離は近い、と思う。

 さて、昨年の4月から始めたこの日記も、今日で282篇目となった。400字の原稿用紙で1250枚ぐらいになっているだろう、と、たまに記録しておく。当初から、一応2年は続けてみよう、ということと、年間日数の半分以上の篇数は、書こう、ということの2つ。来年の4月までに、あと83篇を書けば、トータルの目標には達する。あと、およそ、半年。今のところ、目標を達成して、終えようと考えている。その先、どうするかは考えていない。
 始めてから今まで、長文駄文日記を書き続けて、一番大きく、そして強く感じていることは、「子供の頃、3日と続かなかったのにな」と思う気持ち、である。