第三者の眼差し!!

into-the-sky2005-02-08

自分が住んでいる街に対してあまりその全景をゆっくり見る事って案外少ないんですよね。特に仕事をしている人は朝は時間に追われるように電車に乗り、帰宅時は暗くなっていたりタクシーやバスを利用したりと落ち着いて眺め見ることもないものです。(私自身も!) しかし、“街”を第三者の目として冷静に見るとまた違ったものが見えたりあるいはその見え方がかわったり新しい発見があるものです。
鉄道線がホリゾンタルに通っている街や都市と違って、東京都稲城市若葉台は街の東部分でそれが湾曲している事もあり、調布方面の電車に乗ると断続的に街を垣間見ることもできますよね。多摩市との境、上麻生連光寺線の高台からももちろん見えますが、南方からのいわゆる街の顔とも言えるアングルを可能にする定点的に見られる場所がないかと探し、「見える場所からは見られる筈」のいつもの当然とも言える発想で、スーパー三和前から可視で且つ立入りが可能な場所を訪ねて撮影してきたのが、今回の写真です。
場所は写真をご覧になると大よそ見当つく方が多いと思いますが、神奈川県川崎市麻生区黒川地区で、三和から見ると細い道路に白いガードレールが見える辺りです。
印象的なのは手前の農耕用地区やその街並みと奥の若葉台地区の街並みのコントラストです。若葉台地区もまだまだ時の流れはゆっくりとした感じですが、黒川地区のそれは更にのんびりとした雰囲気で、昔ながらの自然豊かな情緒溢れる落ちついた丘陵地の良さを醸し出しています。
多摩ニュータウン内で多摩センター地区や永山地区では、旧来の街道沿いや谷戸地域に存在していた集落や農耕地区は、ニュータウン事業の三本柱の一つの土地区画整理事業で姿を変え、小規模マンションや商業施設が立ち並ぶ街中に以前からの住居がやや散在的に残っている状況ですよね。もう一つの柱である新住宅市街地開発事業が施工された宅地造成地区との融合が図られているとも言え、そのコントラストを薄めている様相になっています。それに対し、黒川地区は結果的に多摩ニュータウン事業外地区となり開発も規制されているため、昔の良さそのものが色濃く残っているんですね。
黒川の街やその自然は、新街地の若葉台をどう見ているのでしょうか。